とっぴんぱらりの風太郎(上)(下)

こんにちは、松川まりこです。

 

今日は、わたしの好きな万城目さんの作品

読み応えのある、こちらの物語をご紹介します。

 

 

とっぴんぱらりの風太郎(上)(下)

 

著者:万城目学

発行所:株式会社文藝春秋

 

 

コミカルでリズム感のあるタイトル。

風太郎、「ぷうたろう」と読みます。

とっぴんぱらりの ぷぅたろう です。

 

 

舞台は、豊臣から徳川へ天下が移ろうとする時代、

伊賀の忍者として、子供の頃から生きるか死ぬかの厳しい環境で育った風太郎は、

不運が重なり、伊賀を追い出され、京で怠けた暮らしを始めます。

ニート忍者(笑)です。まさにプータロー。

しかし、ひとつのヒョウタンとの出会いから運命が変わります。

そして、再び命がけの戦乱へ巻き込まれていきます。

 

 

忍びとしての実力は、

ダメダメというわけではないけれども、優秀というわけでもない。

特段人柄が良いわけでもなく、外見に恵まれているわけでもない、、

ずば抜けたものがない風太郎は、自分でもそれがわかっていますが、

いいかげんで、情けない自分のまま、特に変わろうともせず暮らしています。

共感…できればしたくはないですが(笑)、

でも、面倒なことには関わりたくない、なるべくラクして良い思いはしたい、

みたいな、そういう一面は、誰にでもあるんじゃないかなと思ったり。

肩肘張らない風太郎の様子は、ちょっとダメダメだけど、

平凡な人間の素を見ている感じで、なんだか憎めないんです。

 

最初は風太郎が自分から動くわけではないですが、

忍び時代の人脈のアルバイトから、徳川の内情に関わることとなり、

そして戦乱…大阪冬の陣に駆り出されることになります。

コミカルなニート暮らしとは対照的に、戦は生々しく描かれ、

忍びの世界に身を置いていたはずの風太郎でさえ、

戦の非情さや厳しさを知ることになります。

 

様々な人との出会いからいろんなことを感じ、

忍びの世界から飛び出して世の中を知るうちに、

風太郎は自分の目的やその価値を見出し、自らの意志で動いていきます。

その姿がとてもかっこいいです。

 

それだけじゃなく、登場する人物の一人ひとりが、とても魅力的なんです。

それぞれに信念や、価値観や、抱える葛藤があり、

物語の中でカラーを放ち、生き生きと活きています。

クライマックスも圧巻!本当におすすめです♡

 

 

ここで更に、あともう少し楽しむためのポイントを…♪

 

同じ万城目さんの作品に『プリンセス・トヨトミ』という本があるのですが、

『とっぴんぱらり~』を最後まで読むと、

あれ、これってもしかして、あの本に繋がるのかも…と気が付きます。

 

『プリンセス~』は現代のお話なのですが、

その背景として、何百年も前に、実はこんなドラマがあったのかと思うと、

また違ったお話に見えてきます。

『プリンセス~』のほうが、発行は先になるのですが、

順番は後から読むほうが、個人的にはおすすめ。

ぜひぜひ併せて読んでみていただきたいです。

 

『プリンセス・トヨトミ』は、映画化もされていましたので、

映画でチェックしてみるのも良いかも。

『とっぴんぱらり~』では、ひょうたんがキーワードになるのですが、

そういえば『プリンセス~』にもひょうたんが登場するんですよね。

わかると、楽しさも倍増です!

この記事を書いた人

松川まりこ

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札幌出身、旭川在住。読書アドバイザー。 本にまつわるお話を発信します。レトロなもの、雑貨、甘いもの、カフェ巡りが好き。カバンに本を放り込んで、自転車であちこち駆け回ります♪