さくらの丘で

こんにちは。

3月に入り、少しあたたかくなり、

冬の終わりや、春らしさを感じる日も増えてきましたね。

 

北海道にはまだ少し早いですが、

今日は、春を感じる本を選んでみました。

 

 

さくらの丘で

著者:小路幸也

発行所:祥伝社

 

 

亡くなった祖母から、遺産として洋館と小さな鍵を譲られた、孫娘の満ちる。

幼い頃から聞いてきた、おばあちゃんの思い出が詰まる洋館は、

祖母だけではなく、祖母の話にいつも出てきた二人の友人との共同の持ち物で、

三人のそれぞれの孫娘たちに遺産として託されたのでした。

 

満ちるは、面識のない残りの二人の孫たちに連絡を取ります。

それぞれおばあちゃん子だったという三人の孫娘たちは、すぐに打ち解けますが、

三人に遺された鍵は、どうやら少しづつ違うかたちのよう。

なぜ三人の祖母が、共同で土地と建物を手に入れたのか、

そして、なぜ三人の孫に、遺そうと決めていたのか、、。

おばあちゃんの思い出を確かめるため、

孫娘たちは、一緒に洋館のある、祖母の故郷に向かうことにします。

 

「おばあちゃんが残した謎を孫娘が解いていく」そんな構成で、

娘時代のおばあちゃんの語りと、満ちるの現代の語りが交互に描かれるのですが、

おばあちゃんの語りが、満ちるが突き当たる「謎」の答え合わせになるのではなく、

辻褄の合わない謎が次々と生まれては、少しづつひもとき、

だんだんとひとつに繋がっていき、、その展開に引き込まれます。

そして、満ちる達は、この洋館に封印されていた人々の想いを、

少しづつ時を超えてほどいていきます。

 

 

文章も物語も柔らかいです。

厳しい時代でも、辛い過去があっても、

優しさを忘れない人々が描かれ、励まされる気持ちになれる一冊です。

 

 

作者の小路幸也さんは、旭川出身、江別在住の作家さんです。

わたしは、『さくらの丘で』のタイトルに惹かれて、手に取ったのがきっかけで、

小路さんを知り、すっかりファンになりました。

 

青春小説、家族小説、ミステリーなど、

さまざまなジャンルの本を発表されていますが、

小路ワールドというのか…。

どれも、小路さん独特の温かみのある世界観で作品が描かれます。

2013年には、代表作でもある『東京バンドワゴン』シリーズがドラマ化されています。

作品数も多く、おすすめしたい本がたくさんあります!

 

『さくらの丘で』には登場しませんが、

いろんな作品で、北海道の地名や場所が登場したり、舞台になったりしているので、

北海道の方は、そんなところも楽しめるだろうなと思います♪

 

この記事を書いた人

松川まりこ

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札幌出身、旭川在住。読書アドバイザー。 本にまつわるお話を発信します。レトロなもの、雑貨、甘いもの、カフェ巡りが好き。カバンに本を放り込んで、自転車であちこち駆け回ります♪