チョコレートコスモス

こんにちは。松川まりこです。

今日も本の紹介をしたいと思います。

 

今日選んだのは、「俳優」の世界が舞台となった作品です。

もし実写化するとしたら、キャストは誰が良いかな~なんて、

想像しながら読むのも面白い一冊です。

 

 

 

チョコレートコスモス

 

著者:恩田陸

発行所:毎日新聞社

 

 

芸能一家に生まれ、幼い頃から舞台に立ち、

実力と人気を集める、若いベテラン女優の東響子は、

努力を重ね、演じることの魅力を感じつつも、

子供の頃からレールの敷かれていた、

この仕事の奥深さや面白さにのめり込んでしまうことに恐れを感じ、

また「生まれながらに選ばされてきた職業」ということにも、少し疑う気持ちがあり、

奇妙な焦りに揺れていました。

 

そんな時、近々、伝説の映画プロデューサー・芹澤が手がける

芝居の大々的なオーディションが行われるらしいという噂を聞き、

更に響子の焦りは増していきます。

 

同じころ、無名の学生劇団に、一人の少女が入団します。

舞台経験はゼロの彼女でしたが、

その演技や表現力は天才的で、次第に周囲を圧倒します。

少女自身は、ただ演じることの世界の奥側を「知りたい」という気持ちが強く、

女優として成功したいという欲は全くないのですが、

その演技力を買われ、あれよあれよという間にオーディションに参加することとなります。

 

演技の世界の「向こう側」へ行ってしまうことに、迷いのあるベテラン女優の響子と、

ただ、その世界の「向こう側」を知りたくて演じる、経験の浅い天才少女。

この二人が出会うときに、どんな世界が見えるのか…!

 

作品中の劇中劇も面白く、あっという間に読ませます。

 

わたしは昔ドラマにもなっていた、漫画の『ガラスの仮面』が好きだったのですが、

実はこの作品は、「恩田版『ガラスの仮面』」とも呼ばれています。

悔しさや、嫉妬や、奮い立つ気持ち。努力や修練、自信…。

様々な感情や感覚を携えて、俳優たちが集まり、

オーディションの中でそれらをぶつけ合い、様々なドラマが生まれていく…

どちらの作品も、

そんなオーディションを見守る感覚が、とても魅力となっていると感じます。

 

 

また、恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』(2017年の本屋大賞受賞)が好きな方は、

『チョコレートコスモス』も好きなのではないかと思います。

『蜜蜂と遠雷』は、昨年実写映画化もされていた、

ピアノのコンクールを舞台に描いた作品です。(どちらも同じ著者です。)

 

普段自分が関わることのない世界で、疑似体験ができるような感覚がありますよ!

この記事を書いた人

松川まりこ

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札幌出身、旭川在住。読書アドバイザー。 本にまつわるお話を発信します。レトロなもの、雑貨、甘いもの、カフェ巡りが好き。カバンに本を放り込んで、自転車であちこち駆け回ります♪