阪急電車

こんにちは、松川まりこです。

 

今日ご紹介する本は、

変わり映えのしない日常に嫌気がさしていた数年前に、ふと手に取った本です。

 

舞台は、電車の中。

わたしたちの日常の中にもある当たり前のシーンです。

 

通勤や通学や、それぞれの事情で、

知らない人同士が乗り合わせる電車の中ですが、

そんな日常の風景から、小さな小さなドラマが生まれていきます。

 

 

阪急電車

著者:有川浩

発行所:株式会社幻冬舎

 

 

よく図書館で見かけて気になっていた女性と乗り合わせ、意識する男性。

結婚を約束していたカレと友人の間に子供ができ、復讐するため結婚式に乗り込んだ女性。

息子夫婦との微妙な関係性が、少し心に重たく感じている老婦人。

DV彼氏との関係に悩む女の子。

大学デビューが上手くいかない男の子。

派手な主婦グループとの付き合いに無理をする、気の弱い中年女性。

社会人の彼氏に支えられながら、受験に挑む高校生の女の子。

 

片道15分のローカル線で、たまたま乗り合わせる彼らの時間が、

ちょっとづつ重なり合うことで、それぞれの人生が前向きに変わっていきます。

 

 

余裕がないときには、自分の気持ちしか見えなくなるものですが、

街ですれ違う人、電車に乗り合わせた人それぞれ、

一人ひとりに人生のドラマがあるんだということを思い出させてくれる物語です。

肩の力を抜いて、ふぅっと一息つかせてくれるきっかけになります。

 

 

近くのグループの会話が耳に入って勇気をもらったり、

車窓から見える景色が、ふと隣の人との話題になったり、

行きずりの人の一言が、深いところにささったり、

小さな小さなきっかけが、素敵な出会いに繋がり、人の心の支えになって…、

人間同士だからこそ起きる心の繋がりにほっこりと心が癒されます。

 

変わり映えのしない自分の日常も、

ちょっと隣の人に目を向けてみるだけで、

何かが動き出してガラッと変わるかもしれない、、と思わせてくれる

前向きで幸せな余韻が生まれる一冊です。

 

今年は新型コロナウイルスが流行し、

暗い話題も多く、人と接する機会も減り、

なんだか気持ちが沈むことも多いですが、

そんな今こそ、読んでみてほしい優しい物語です(^^)

 

この記事を書いた人

松川まりこ

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札幌出身、旭川在住。読書アドバイザー。 本にまつわるお話を発信します。レトロなもの、雑貨、甘いもの、カフェ巡りが好き。カバンに本を放り込んで、自転車であちこち駆け回ります♪