こんにちは、松川まりこです。
日に日に寒くなって、少しづつ季節が冬に近づいてくるのを感じます。
冬季のスポーツといえば、みなさんは何がお好きですか?
スキー、スノーボード、スケート…
アクティブに出かけていって、自分自身が打ち込む方も多いと思いますが、
スター選手がたくさんいて、注目の集まるフィギュアスケートを
ゆっくり家で観るのが好き~、という方も多いのではないでしょうか(^^)
今日は、そんなフィギュアスケートの世界を舞台にした物語をご紹介いたします。
銀色の絆 (上)(下)
著者:雫井脩介
発行所:株式会社 PHP研究所
この物語は、母と娘の二人三脚の様子を描く物語です。
結婚し、余裕のある家庭で、
娘の小織にはなんとなく習い事のひとつとしてフィギュアスケートを習わせ、
同じく余裕のあるスケートママ友達と外食をしておしゃべりをする、
そんな生活を送っていた母・梨津子。
しかし、あるとき夫の浮気が発覚し、離婚を決意します。
梨津子は小織を連れ、無気力な毎日を送りますが、
やがてフィギュア界の名コーチとの出会いによって、世界は一変します。
「私は、藤岡小織の最大の伸びしろは、あなたにあると思ってます」 (本文より)
ぱっと跳んだのを見て、何ジャンプかわからない程度の知識しかなかった梨津子でしたが、
クラブ内の独特のしきたりや、厳しい空気感に入れるよう葛藤し、
追い込まれる資金や生活費のやりくりに苦戦し、
そんな中で着実に実力を伸ばしていく小織のスケートに白熱し…。
娘のサポートにどんどんのめり込んでいく様子と、壊れそうで危うい生活の現状が、
まるでノンフィクションかのようなリアリティで迫ってきます。
そしてやがて、ジュニアの世界レベルに成長した高校生の小織。
金銭的な問題を抱えながらも、
スケートを続けるための最後の綱となった大学の特別推薦をかけた、
全日本選手権が迫ります…!
スケートの臨場感も魅力なのですが、ただのスポーツ小説ではありません!
母娘の絆の話と一言で片づけるのも、なんだかもったいないような一冊です。
ただただ、母の強さに感動します(T_T)
わたしも小さい頃に、習い事でバイオリンを習っていたのですが、
同じように母が、初めて触れる楽器や曲を覚えながら、
一緒に練習にのめり込んでくれたことを思い出しました。
とても厳しくて、「わたしの好きにさせて!」と思ったことも多々ありましたが(笑)、
そばで真剣に見ているからこそ気が付く欠点や、成長があるのだろうなと思います。
そんな風に、何かに打ち込んだ経験がある方にもぜひ、読んでみてもらいたい一冊です。
ちなみにわたしは、
フィギュアスケートのジャンプの違いなどはあまりわからず、
中継の解説に頼るタイプですが、(観るのは好きです…!)
そんな方も、ハードルなく読めます。
巻末には、フィギュアスケートのジャンプの種類もイラスト付きで解説されていて、
テレビで大会が中継される時も、この図解を片手に観ようかなと思うくらいです(笑)。
この本を読んだあとに実際の大会を観ると、
スケーターひとりひとりに、一体どんな思いやドラマがあるのだろう…と、
つい考えてしまいます(^^)
今年のシーズンが、より楽しめるのではないでしょうか。