こんにちは、松川まりこです。
今日ご紹介するのは、真剣にふざけているような(⁉)
どこかお茶目な、万城目学さんの作品。
こちらの一冊も、大真面目に奮闘する主人公と、
それを、どこかおちょくるような視点で綴られる作者目線が、
とてもコミカルで面白い一冊です。
鹿男あをによし
著者:万城目学
発行所:株式会社 幻冬舎
人間関係のトラブルで、大学の研究室を追われ、
奈良の女子高に赴任することになった主人公の「おれ」。
いずれ研究室に戻るつもりで、
ほんの気休めのつもりで先生として働き始めますが、
そんなある日公園で、なんと!鹿に声をかけられます。
〈 先生は、“運び番”に選ばれた 〉
これをきっかけに、
意思に反しながらも日本の危機を救うため、奮闘することに…。
顔が鹿の顔になってしまったりと(!)衝撃的なシーンもあり、
奇想天外なお話ではあるのですが、
鹿からの指令を頼りに奔走する主人公の生真面目さが面白く、
そして人間くさくて感情移入できるので、物語にスッと入り込めます。
登場人物たちののんびりした人柄と、焦る主人公と鹿の対比も面白く、
テンポ良く展開していくのも魅力。
先が読めず、謎解きとタイムリミットのドキドキ感がたまりません!
奇想天外とは言いましたが、
しっかりと日本の神話や古代の史実に基づいていて、奥も深いです。
日本の伝承に、興味を持つきっかけにもなるかもしれません(^^)
ファンタジーと現実が、絶妙にしっくりくる魅力たっぷりなお話ですよ!