太陽の坐る場所

まりこの本棚

読書アドバイザーの松川まりこが、面白いと思った本の紹介を中心に、本にまつわるお話を様々な角度から発信します。

こんにちは、松川まりこです。

 

高校時代、みなさんどんな思い出がありますか?

 

今となっては楽しかったなあ~と思い出すことのほうが多いとしても、

当時の自分は、狭い学校の中の世界に生きていて、

キラキラした青春の瞬間だけではなく、

どこか何かしら、思い通りにいかないモヤモヤとした感情も、

きっとあったのではないでしょうか。

 

誰かがうらやましいな~と思う気持ちだったり、

見栄だったり、意地だったり、理想と現実のギャップだったり…、

モヤモヤの原因は様々ですが、

当時は当時で、しんどいなあと思うこともあったはずなんですよね。

 

今日ご紹介するのは、そんなリアルな気持ちが思い出される一冊です。

 

 

太陽の坐る場所

著者:辻村深月

発行所:株式会社 文藝春秋

 

 

高校卒業から十年。

クラス会に欠席し続ける、今や人気女優となったキョウコを呼び出そうと、

かつての同級生たちが画策します。

…が、一人ずつ連絡が取れなくなっていきます。

 

高校時代に何があったのか、

五人の同級生の目線から、高校時代の回想と現在進行の状況が語られます。

次第に物語の真相が明らかになっていきますが、

それがサスペンスのようでもあり、展開に目が離せなくなります。

 

自分を認めてほしい気持ちや、妬みやずるさや…、

細やかな感情がリアルで、胸が苦しくなります。

同じ空間で同じ時間を過ごしていても、

それぞれ見えている景色が違うものなのだということにも、改めて気付かされます。

 

そして、自分が見えていると思った物語も、

どこからか「ズレ」ている…?

読み終わったあとに、もう一度最初から読み直したくなる一冊です!

この記事を書いた人

松川まりこ

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札幌出身、旭川在住。読書アドバイザー。 本にまつわるお話を発信します。レトロなもの、雑貨、甘いもの、カフェ巡りが好き。カバンに本を放り込んで、自転車であちこち駆け回ります♪