第9回「東京での銭湯修行①」

第1回目の記事で、地元札幌での銭湯経営を目標に東京都内の銭湯で働いています、
と自己紹介をした私ですが、実は先月より、札幌に帰って参りました!

東京都内の銭湯で、「銭湯修行」として働いた3年間は、なんだかあっという間だった気がします。
3年半の間で、4軒の銭湯さんで勤務させて頂きましたが、思えばずっと楽しく、とても幸せだったなあと思います。
今日はそんな3年半の話を振り返ってみようと思います。

まず大学を卒業して上京し、ヨシ!銭湯経営に向けた第一歩として、銭湯で働こう!と思いましたが、
銭湯の求人って、インターネットで検索をしても全然載っておらず・・・
出てくるのは、スーパー銭湯の求人ばかり。

50軒ほどの銭湯に電話をかけてやっと、2軒の銭湯さんにお話を聞いていただける事になりました。
その2軒の銭湯が、私が初めて働く事になった銭湯さんです。

その2軒の銭湯は、どちらも店内の清掃も行き届き、より良いお店づくりの為に日々変化のあるお店でした。
基本的には営業中の店内清掃を担当していましたが、
店内の注意書きの張り紙づくりや、リニューアルオープンに伴なう
お店のパンフレット製作、ロゴづくり、のれんづくり、イベント企画、
イベントポスターの作成などもさせて頂きました。


(勤務先の銭湯でロゴ作成・のれんのデザイン製作をさせて頂きました)

(勤務先の銭湯で、女性限定入浴のイベントの企画・宣伝素材の作成・当日スタッフをさせて頂きました)

お店に来る常連さんがだんだんと顔を覚えてくれたり、
顔を会わせるたびに何気無い会話をしたり、
大好きな空間で毎日働けることがとにかく嬉しかったです。

毎日欠かさずに来ていた常連さんが2、3日来ないとすごく心配したり、
しばらく来なかった後、また元気にお風呂に入りに来てくれると安心したり、
一部ではありますが、そのまちの人々の生活を見守っている感じが、
なんとも“銭湯”だなあ、と日々感じていました。

2軒の銭湯での仕事を掛け持ちしながら1年半ほど働いた頃、
別の銭湯の方よりお誘いを受けて、そちらのお店で毎週日曜日のみ、
8時〜12時の朝湯を担当させていただく事になりました。
同じく将来銭湯経営を目指す女の子と二人で、
初めてお風呂の仕込み(お風呂を沸かすこと)をしました。

多くの銭湯はお水を温めて沸かすことで、シャワーや浴槽で使用するお湯をつくっているのですが、
何を燃料としてお湯を沸かしているかは、お店によって様々です。
一番シンプルな方法だと、薪を燃やして温める方法。
他にはガスを燃料に温める方法や、廃油や重油など、油を燃料に温める方法など。
ストーブと同じようなイメージです。

私が朝湯を担当させて頂いた銭湯は、薪を燃料にお湯を沸かしていました。
朝6時にお店に到着し、8時の開店に向けて、お湯の仕込みをはじめます。
薪を焚くための窯のお掃除をして、顔も頭もススだらけになっていました。

真冬の朝6時はまだ真っ暗でした。
朝湯は開けるのは大変でしたが、開店時間の朝8時、
新鮮な日が差し込む浴室は本当に清々しく気持ちが良かったのを覚えています。


(勤務先の銭湯で朝湯を担当させて頂きました)

この頃は、上京して銭湯で働きはじめてから約一年半が経った頃だったと思います。
教えて頂いてやっと仕込みをしていましたが、まだまだ分からないことだらけで、
あちこちをぐるぐると巡る配管の仕組みが全然理解できず、
私できるかな?と不安になることも多々ありました。

でも、初めて自分が仕込んだお湯でお店を開けて、お客さんを迎えて、
お客さんがそのお風呂に入って、とてもいい顔で出て行くのを見届けることができたのが本当に幸せでした。

→②に続く

2019.11.18
大沼 有加

この記事を書いた人

大沼有加

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1993年生まれ。札幌市立大学デザイン学部卒業。 夢は地元札幌で銭湯経営すること。東京都内の銭湯で3年半働き、現在は札幌市内の銭湯にて修行中。