第3回「銭湯の好きなところ」

「銭湯が好きです」、「銭湯で働いています」と言うと、「どうして銭湯が好きなの?」と聞かれることがよくあります。

なかなかうまく言葉にできないことが多かったので、今日はそのことについて書いてみます。

長い歴史の中で日本人の日常に根付き、親しまれてきた「銭湯」。

大昔、お風呂を持っている家の人が村の人々に風呂を沸かして振る舞ったそうですが、今も多くの銭湯が家族経営で、お店の裏に自宅があり、生活と非常に密着した環境で営業されています。

銭湯を好きな理由の一つは、そういった、日本の大昔からの歴史の香りが今も残っているところです。

銭湯には、温泉が出るところもあれば、機械を通して軟水にした水を使っている銭湯もあります。

水質によって、身体への効果も違いも勿論あると思いますが、わたしは単純に、「お湯に浸かる」ということが大好きです。

温かいお湯に浸かった瞬間の「極楽」感は他に代え難い感覚で、もの凄く安心した気持ちになるし、それまでは「自分 対 数えきれないもの」だった頭の中が、「自分 対 自分」になる気がします。

対自分というのは自分を追い込むわけではなくて、いつもより自分を大事に思える、という感じです。

銭湯から出た時はいつも、入る前より気持ちに余裕ができている気がします。

銭湯は娯楽としての楽しみ方もありますが、
わたしは、入浴という日常生活の行為の中の少しの極楽、だと思っています。
それをいつでも、毎日味わうことのできる「銭湯」という場所が、

これからもずっとあり続けて欲しいな〜と思っています。

2019.8.27 Tue

大沼 有加

この記事を書いた人

大沼有加

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1993年生まれ。札幌市立大学デザイン学部卒業。 夢は地元札幌で銭湯経営すること。東京都内の銭湯で修行中。