かがみの孤城

こんにちは。松川まりこです。

普段、図書館で本を借りることが多いのですが、

今日は、ようやく出会うことの出来た、こちらの本をご紹介します!

 

 

かがみの孤城

著者:辻村深月

発行所:株式会社ポプラ社

 

 

2018年の本屋大賞を受賞した作品です。

ずっと読みたかったんですが、

話題作だったため、ようやく手に取ることができました。

 

クラスメイトとのいざこざから、学校に通うことが出来なくなったこころは、

5月のある日、自分の部屋の鏡を通り、おとぎ話のような城に招待されます。

そこに集められたのは、それぞれに事情を抱えて学校に通えず、

「普通じゃない」自分に、どこか負い目を感じている7人の中学生でした。

 

案内役の不思議な少女の説明によると、

この城には「願いの鍵」が隠されていて、

その鍵を見つけた者は、ひとつだけ、どんな願いでも叶えてもらえるということ。

ただし、鍵を探すことができるのは、来年の3月まで、

そして鏡の中の城にいられるのは、毎日9時から17時までと決まりがあります。

 

それから7人は、この鏡の城に集まり、自由に過ごすようになります。

鍵探しのことも心のどこかで気にかかりつつ、

ゲームをしたり、お菓子を食べたりと、

その過ごし方は、昔誰もが憧れたような

秘密の隠れ家に集まる子供たちそのもの!

 

学校にもフリースクールにも通うことができなかったこころも、

ぎこちないながらも、他の6人と顔を合わせて話をするうちに、

少しづつ城を自分の居場所と感じていくようになります。

 

もし鍵を見つけたら、願いが叶うなら…と

自分の事情を考えながらも、

厳しい現実と、城の中に見つけた自分の居場所の間で、

少しづつ変わろうとする中学生たちが描かれます。

 

人はそれぞれ、自分の「現実」を生きているんだなと考えさせられました。

同じ場所で、同じ時間を過ごしている人でさえ、

違う「現実」を見ているんだなと。

 

 

辻村さんの作品は、人の気持ちの微妙な心の揺れ動きや、

普段隠してしまう気持ちの部分の描写が巧いな…と思います。

 

主人公のこころちゃんは、

人がサラッと口にする一言や、表情だとかを、

もしかして私のこと攻めて言ったんだろうか、

こんな風に思われただろうか…と、考えすぎてしまうタイプなんですが、

わたしもどちらかというと、そういうタイプで、

「ああ、わかる…」と思わず共感してしまいました。

 

人から見たら大したことじゃないけど、気になってしまうとか、

わかってもらえないかもしれないから言いづらい、とか、

そういう気持ちを、こんな風に誰かの気持ちとして読むと、

共感と同時に、わたしだけじゃないんだなと安心する気持ちもあって。

 

きっと誰もが、堂々と人に言えない気持ちを何かしら持っていて、

それを代弁してくれるような辻村さんの描くキャラクターたちが、

前向きに人生を歩んでいると、励まされた気持ちになります。

 

そして、物語そのものも、文句なしに面白い!!

 

選ばれた7人の繋がりとは何か。

かがみの孤城とは、いったい何なのか。

 

この表紙と目が合ったら、ぜひ手に取ってみてください♪

 

 

この記事を書いた人

松川まりこ

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札幌出身、旭川在住。読書アドバイザー。 本にまつわるお話を発信します。レトロなもの、雑貨、甘いもの、カフェ巡りが好き。カバンに本を放り込んで、自転車であちこち駆け回ります♪