英米児童文学とファンタジー

こんにちは、松川まりこです。

 

今回は、わたしの大好きな

英米児童文学をキーワードに、お話ししてみたいと思います!

 

 

 

 

実は、「子供のために」本を書く児童文学という概念が生まれたのは、

わりと最近の話で、19世紀頃がはじまりと言われています。

それまでは、子供は「不完全な大人」とみなされていたようで、

19世紀ごろに時代の変化とともに「子供時代」という概念が生まれ、

児童文学、そしてファンタジーも生まれました。

 

 

まずは、ファンタジーの3つのジャンルをご紹介しますね♪

 

①ハイ・ファンタジー

一番伝統的なファンタジーで、

はじめから魔法の世界が舞台となった物語のことを言います。

魔法使いや、ホビット、ドワーフ、エルフなどが暮らす

中つ国が舞台の『指輪物語』(原作名の「ロード・オブ・ザ・リング」で映画化されました!)は、

このハイ・ファンタジーに分類されます。

アンデルセンなどの民話もここに入ります。

 

 

②ロー・ファンタジー(エブリデイ・マジック)

日常生活の中に、魔法の要素が取り込まれる物語です。

家庭教師としてやってきた女性が不思議な力を使う『メアリー・ポピンズ』が典型的。

 

 

③現実世界から異世界へ

そのままですが…。

衣装ダンスが入口となり、不思議な世界へ迷い込む『ナルニア国物語』や、

子供たちがネバーランドで冒険する『ピーター・パン』など、

こちらも多くの作品が当てはまります。

 

 

この3つのジャンルは、

英米文学に限らず、日本のファンタジーにも当てはめることができますよね。

この型だなあ、と考えてみるだけで、少しフフフ♡と思います。

 

 

 

楽しいイメージのファンタジーなのですが、

実は、ファンタジーが生まれる歴史的背景には、

「不安感」があると言われています。

 

 

英米児童文学の第一黄金時代と言われているのが、

19世紀後期から20世紀初期にかけて。

この第一黄金時代は、第一次世界大戦がおこった頃です。

 

どんな作品があるのかというと…、

 

ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』(1965年)、『鏡の国のアリス』(1872年)

L・フランク・ボームの『オズの魔法使い』(1900年)

ジェイムズ・M・バリの『ピーター・パン』(1911年)

A・A・ミルンの『くまのプーさん』(1926年)

パメラ・L・トレヴァーズの『メアリー・ポピンズ』(1934年) などなど。

 

映像化されているものを中心に並べてみましたが、他にもたくさんあります!

 

 

 

そして、第二黄金時代と言われるのが、1950年代頃。

 

J・R・R・トールキンの『指輪物語』(1954-1955年)

C・S・ルイスの『ナルニア国物語』(1950-56年)

メアリー・ノートンの『床下の小人たち』(1952年)

フィリパ・ピアスの『トムは真夜中の庭で』(1958年)

 

トールキンやルイスも戦争を経験した人たちです。

 

 

不安な時にこそ、ファンタジーが必要になる…というのは、

個人的には、わかる気がします。

たとえば、衣装ダンスが異世界への入口となる、と紹介した『ナルニア国物語』。

「もしかしたら、うちの家でも魔法が起こるかもしれない」と思わせるわくわく感があり、

これがファンタジーの力かな、と思います。

本に登場する魔法のかかった舞台のおかげで、

自分の家や、街の片隅や、駅や、森や…、現実の目に映る場所が、

少し魔法にかかって見えます。

同じ生活にも、何か変化を感じられる。

暗い時代にこそ、こういった期待やわくわくが必要なのではないでしょうか。

 

 

 

そして、1990年代後半から現代にかけても、ファンタジーの名作は生まれています。

 

フィリップ・プルマンの〈ライラの冒険〉シリーズ(1995-2000年)

J・K・ローリングの〈ハリー・ポッター〉シリーズ(1997-2007年)などなど。

 

現代に、ファンタジーが必要なのは、どうしてなのでしょうね。

でも日々、現実に向き合うと、

楽しいことだけではないのは大人も子供もみんな同じですよね。

「身の回りに魔法を感じたい、同じ生活にも何か変化を感じたい」

そう思う気持ちは、現代も変わらないのかもしれません。

 

 

少し長くなってしまいましたが…

たまにファンタジーの世界に浸ってみるのも、良いですよ♪

この記事を書いた人

松川まりこ

記事一覧

札幌出身、旭川在住。読書アドバイザー。 本にまつわるお話を発信します。レトロなもの、雑貨、甘いもの、カフェ巡りが好き。カバンに本を放り込んで、自転車であちこち駆け回ります♪